LINE SMART CITY GovTechプログラム 福岡県 導入事例|導入事例|LINEヤフーコミュニケーションズ

LINE SMART CITY FOR FUKUOKA

LINE SMART CITY GovTechプログラム 福岡県 導入事例

目次

「LINE SMART CITY GovTechプログラム(以下GovTechプログラム)」を導入した福岡県にお話を伺いました。(2020年12月 福岡県庁)

福岡県総務部 県民情報広報課
課長 大群拓也さん
企画広報主幹 帆足恵美子さん
企画係長 紙谷彰一さん
主任主事 棟近奈穂子さん

※記事中では敬称略

GovTechプログラムを導入した決め手はコストと機能、そして将来性

―福岡県ではすでにLINE公式アカウントを運用されていましたが、いつから使われていますか?

大群:2017年4月に開設しました。スマートフォンが普及したことに伴い、SNSを使って広報しようということで、ユーザーの多いLINEを使うことにしました。県民情報広報課が主体となり、県民の皆さんの生活に関わる最新情報をタイムリーにお知らせしています。

―始められて3年半経ち、手応えはいかがですか?

帆足:おかげさまで8,900人ほどが「友だち」登録してくださって、いろいろな情報を発信してきました。ただ、トークで通知すると相手の知りたい情報と関心のない情報が混在するためか、まれにブロックされてしまうのがとても残念で…。
一方で昨年度、県の広報の手法を見直してSNSを含むインターネット広報を強化しようという方針になり、今年度の予算を確保できました。そして10月に新たな方法を公募して、10月のうちにGovTechプログラムの導入を決めました。

―スピーディな決定ですね。GovTechプログラムを選ばれた理由を教えてください。

紙谷:導入コストが非常に安価であったことと、私どもとして必要な機能がすでに実装されていたこと。そして最終的な決め手は、将来性です。GovTechプログラムは比較的導入しやすいため、今後ほかの自治体でも導入されていくでしょう。オープンソースの強みとして、多数の自治体のニーズを集約して開発が進むと予測し、将来的な拡張性への期待も込めてGovTechプログラムを選びました。

―必要とされていた機能とは?

紙谷:実はそんなに多機能なことは求めていなくて、本人の興味関心に応じた情報を届けるセグメント配信、問い合わせに自動で回答するチャットボット、あとはアンケート機能です。

―GovTechプログラムを導入するにあたって、不安や疑問はありましたか?

紙谷:どのツールを導入するにしても、機能が加わることで管理・運用が複雑になるのかなという懸念はありました。それに加えて、GovTechプログラムはリリースされたばかりでしたので、ツールの使用感もわからない。なので、もちろん不安はありました。ただ、今、導入準備をしている中では、GovTechプログラムをご提案いただいた電通九州さんや開発会社の方がしっかりサポートしてくださっているので、スムーズに進められています。管理・運用に関しては、一つ一つ検証しながら進めていくしかないと思っています。県民にとって必要な情報にスムーズにアクセスできるというのはもちろんですが、我々にとっても、その結果として問い合わせが減るなどの業務の効率化につながる活用の仕方をしていきたいと考えています。

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福岡県総務部 県民情報広報課
左側:企画広報主幹 帆足恵美子さん、右側:課長 大群拓也さん

モニターアンケートをもとに
感染症と防災の情報発信を強化 

―いよいよ12月15日からGovTechプログラムが実装されますが、まずはどんな分野に注力されるご予定ですか?

大群:県民の皆さんに協力いただいているモニターアンケートで「県の公式LINEで知りたい情報」を聞いたところ、トップは感染症、次が防災でした。ですのでまずは、主にその2分野で担当部局と連携しながら情報発信を強化していきます。

紙谷:私たち県は広域自治体なので、求められる情報が基礎自治体である市町村とはずいぶん違います。例えば、福岡市さんならゴミに関する情報が求められていると思いますが、県は一般のゴミを取り扱っていないので求められません。私たちに求められるのは日々の生活に密接した情報というよりは、市町村の域からさらに1歩外に出た情報だと考えています。その中でも、「安全で安心に暮らしていただくための情報」は最優先ですから、やはり今の時期は感染症と防災が中心になりますね。

―今後の展開について教えてください。

紙谷:ほかの自治体の事例もいろいろ拝見していて、さまざまな事業分野でLINEを活用できると感じています。ただ、我々は県の広報課として広報に軸を置き、県民の皆さんが求めている情報を過不足なく伝えることが役割です。広報から入ってどこから他部局、つまり個々の事業の領域になっていくのかというところはしっかり見極めてバランスを取っていきたい。安易に広げてしまうと収拾がつかなくなりそうなので、当面は広報課で一括して管理していくつもりです。

帆足:ほかの自治体と同じように、福岡県でも各部局でアプリを作って事業を進めるケースが増えてきました。しかし、そうするとアプリが誕生するたびにダウンロードしてもらわなければならず、毎回ゼロからのスタートになります。もちろん事業の目的によっては、アプリを活用した方がいいものもありますが、LINEを使えばすでに多数のユーザーがいるので、そこに着目して解決できる課題も多いと思っています。

紙谷:展開に当たっては、直接ユーザーの方の声を聞くためにアンケート機能も使いたい。他部署からのヒアリングもしますが、実際にお友だち登録してくださっている方の声を大切にして丁寧にニーズを拾っていくつもりです。

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福岡県総務部 県民情報広報課 企画係長 紙谷彰一さん

―正直なところ県は生活者から少し遠いイメージを持っていたのですが、もっと県民に寄り添うためのツールの一つとしてLINEを活用されるのですね。

紙谷:そうですね、モニターアンケートの結果を見てもSNSの中ではLINEの利用者が一番多く、県民の方々にとって身近なツールだと認識しています。私自身も電話帳よりLINEを開く回数の方が多くなりました。身近なコミュニケーションツールになってきているので、その感覚で県を身近に感じてもらえればと思っています。

県民の皆さんと一緒に
公式アカウントを育てていきたい

―LINEを使われていない方へのアプローチは?

大群:もちろん全世帯に届く県の広報紙やテレビなども重要なツールです。これらの媒体での情報発信も、もちろんしっかりしていきます。
一方で、SNSを主な情報収集の手段として使う若い世代には、紙やテレビで発する私たちのメッセージが届きにくいという課題がありました。SNSはリアルタイムでメッセージを伝えられるのが強み。若い人たちにも情報を届けつつ、今までの広報紙やテレビ、記者会見などを補完する形でSNSも活用していきたいですね。

―LINE公式アカウントの登録者数について、目標はありますか?

紙谷:本当は今年度末に8000後半を目指していたのですが、すでに達成しました。感染症の情報を求めている人が多いからではないでしょうか。

―なるほど、必要とされていたのですね。

紙谷:そうなんです、求められる情報をきちんと発信すれば、「友だち」が増えていくと実証されました。GovTechプログラムの導入によって、自分が欲しい情報を選べるというニーズに応えることで、より便利に快適に使っていただけるようにしていきます。

―県民の皆さんにメッセージをお願いします。

帆足:現在はいろいろなところでいろいろな情報があふれています。その中で、県として何より大切なのが、正確な情報をお届けすること。これをモットーに情報を発信していきますので、ご活用いただければと思います。

紙谷:皆さんに安心して暮らしてほしいというのが一番の願いです。GovTechプログラムの導入がその一助になるように力を尽くしていきます。

大群:県のLINE公式アカウントはさらに使いやすくなりますので、まずはご登録をお願いします。アンケートなどで県民の皆さんの意見を聞きながら、ニーズに合った情報をよりタイムリーに発信できるようにしていきますので、ぜひ一緒にアカウントを育てていっていただけるとうれしいです。

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福岡県総務部 県民情報広報課 主任主事 棟近奈穂子さん

―最後に、GovTechプログラムを早期に導入された立場として、ほかの自治体に伝えたいことがあれば聞かせてください。

紙谷: GovTechプログラムを導入するとできることが広がっていくので、「何ができるか」からスタートすると迷ってしまうかもしれません。最初に行政として「何がしたいか」「何をすべきか」を考えて、そのために最適なツールは何かという視点からスタートすると、うまく整理できるのではないでしょうか。

棟近:私たちはオープンソースであるGovTechプログラムの将来性に期待して導入を決めました。価格的にも導入しやすいですし、採用する自治体が増えれば増えるほど多くのニーズが集まり、自治体にとって必要な機能の開発、我々運用する側のユーザビリティの向上が進むと思います。いち早く導入した福岡県としては「もっとこうしたい」といった声を上げて、皆さんとより使いやすいように改善していければと期待しています。

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